W7.戦い終わって

02.7.3

確かに醜く太ったマラドーナの言うとおり今大会の試合内容
は今ひとつのものだった。
が、其の中でも フランスvsウルグァイ、アイルランドvsドイツ
トルコvsセネガルなどワールドカップらしいすばらしい試合もあった。

ドーハの悲劇を経てジョホールバルの歓喜、フランス大会初出場
それでもまだワールドカップは一部愛好家のものだった。
しかし、2002年6月の日本は堤防がいっきに決壊したかのごとく
老若男女、茶の間も会社も役所も学校も商店街も全国津々浦々、
巨大な波に飲み込まれていった。
白昼堂々、公然とベッカムやらカーンやらロナウドの名前が語られたのだ。
が、お隣の韓国はその比ではなかった。広場を埋め尽くす大群衆は
革命前夜というか、挙国一致というか、さながらナチスドイツのプロパ
ガンダ映画のごとき光景だった。
両国民はワールドカップを体験したのだ。

ワールドカップを体験して、これは止めてほしいと思うことが、二つある。
一つはスジアムでの意味のないブーイング。相手チーム選手の紹介に
ブーイングをするのは、ほんとに見苦しいし、情けない。日本のサポータ
ーはこれでもすばらしいのか。もっとよくサッカーを見てほしい。
それ以外のところでは日本人は確かにフレンドリーな国民だった。
フーリガン騒動もなかった。それだけに残念だ。
二つ目は民放の放送。自己陶酔する実況アナといつまでもしゃべり続け
る解説者。
スターの偏重とタレントのキャスター起用のバラエティー番組化。
とくに日テレはワールドカップ中継に最もふさわしくないテレビ局だった。
伝える側が見る側の感動や、夢を奪ってはならないのだ。

日本ベスト16、韓国ベスト4。岡田さんが言っていたが
「やっとマイホームを建てたと思ったら隣にドーンとビルが建ったようだ」
自分としては
(うちの主人がついに課長になったと焼肉パーティをしたらお隣の同期
入社のご主人は部長になりついでに取締役になっちゃった。)
団地妻の心境か。

しかしベスト16は事実なのだ。この財産を着実に次の世代に引き継ぐ
のだ。ユース世代は着実に好成績を残している。
今月の後半には次期代表監督が決まる。
なにやら楽しみな名前が取り沙汰されている。
そして、もう次なる戦いへの準備は始まる。