亀田興毅問題

06.8.4

大変な騒ぎになっています。ボクシングについて久しぶりに書きます。

日本人ボクサーの試合は井岡や鬼塚あたりからほとんど支持しなく
なった。じつにいい加減な採点だった。実力もないのに。
以来日本人ボクサーにはいつも厳しい見方をするのだが、今回は
1-2ポイント亀田が勝っていたかなと思った。
ところが直後から大騒ぎになった。

1回は10-8、11回も10-8、12回は10-9でランダエタ、後の9回がむ
ずかしいラウンドだった。ビデオを撮っておけばよかった。
ちなみに11回の亀田はダウン寸前でありこういうラウンドは僅差の
10-9のラウンドとは差をつけ10-8をつけなければならない。
10ポイントマストシステムは1ラウンド、1ラウンドが独立した試合であり
僅差のラウンドでもどちらかに振り分けていく。
ゴルフのマッチプレーのようにだ。
となると微妙な九つのラウンドの振り分け方によりこういう結果
が出ても不思議ではない。
一試合全体を通した評価であればガッツ石松の言うように
「引き分けにしておけば」などという事もあろうが、それは採点法を
知らない者の弁だ。柔道の旗判定ではないのだ。

ランダエタは戦い方を誤った。1回にダウンを奪い亀田の力を見限った。
もっとアウトボクシングやらいろいろな戦い方ができるタイプである
のに2ラウンド以降も頭をつけてのインファイトにつき合った。たぶん
この程度なら打ち勝てると思ったのだろう。
しかしボーディーブローが次第に効いて中盤失速していったように思う。

一方の亀田はスタミナがあった。ハートもあった。1回のダウンは相当
効いたはずだ。精神的にもダメージが大きくあれから挽回するのは
至難の業だ。かつての大場正雄や輪島功一にはそれができた。。
微妙な九つのラウンドは共に有効打は少なかったが、勝つ姿勢の面で
亀田がより多くのラウンドを支配していたように思えた。

しかしやはり「顎」は弱かった。異様に高く構えたガードと、細くとがった
顎は前から打たれ弱いのではと思っていたのだ。
フットワークなし。ボディーワークなし。リードパンチなし。体も硬い。
頭から行くインファイトだけではパンチがそこそこあっても先は暗い。

今回ライトフライ級に落としたのも前チャンピオン(パナマの若きチャ
ンピオンでかなりの強豪) が減量苦で上にあがったからだ。
絶妙のマッチメークでTBSとマスコミに担ぎ揚げられアイドルチャンピ
オンになった。そういう意味ではホリエモンに似ている。
WBCの同級チャンピオンにしてもフライ級のチャンピオンにしても強
打者あり技巧派ありでいくらTBSが大金をつぎ込んでも3階級制覇
などは遥かに道は遠い。

今回の件に限らず昨今のスポーツ番組に対するマスコミのなんでも
バラエティーのエンタメ的スタンスには多くのコアなファンは泣いて
いるだろう。(高校野球と大相撲中継は除く。)

此度の騒動、ジョー小泉さんの感想を聞きたい。