02.3.16
グレートジャーニーが終了した。
10年前、新聞で一人の日本人が人類の到達した道のりをさかのぼる
旅に出る。という記事を読んだ。関野吉晴氏のクレートジャーニーだった。
そのクライマックスは、いかにもこの人らしい静かなゴールだった。
思えばマゼラン海峡南端にカヌーを漕ぎ出した時も静かなスタート
だった。感動をあおるような演出はなかった。
ラエトリの人類最古の足跡は石組みで覆われ実物を見ることは
できなかった。
しかし53,000キロ。10年に及ぶ壮絶な足跡がズッシリと重い。
喜怒哀楽をあまり現さない関野氏だか、ゴール地点で娘からの
祝福のFAXに唸るように深くため息をついた。
世界地図の大陸にずぅーと線を引きその場をたどる。我々の住んで
いるような場所がいかに特殊環境であるか。
地球とはこういう惑星だった。
数百万年という時間をかけ、なんの装備もなく、なんの食料も持たず
東アフリカから地球の果てまで移動して行った人類。
どんな旅であったのか。
短小軽薄なバラエティーばかりはやる最近のテレビ番組。
その中で10年に及ぶ企画を成し遂げた関野吉晴氏とそれを支えた
大勢のスタッフ。あなた方はすばらしき地球のヒーローだ。