02.2.14
スピードスケート列伝
はるか昔グルノーブルオリンピックの記録映画「白い恋人達」を見た。
クロードルルーシュの映像にフランシスレイの音楽。あこがれた。
スピードスケートに魅せられたのは次の札幌大会あたりからだ。
独特のレーシングウェア。独特なスタートの格好。コーナーリングの美しさ。
エアハルト・ケラーに惨敗した鈴木恵一。サラエボの黒岩彰。
カルガリーのダン・ジャンセン
この競技ほどアスリート達に極度の緊張とむごい結果をもたらす
スポーツもない。
ソルトレークでまた一人、悲劇の列伝に加わった。
ジェレミー・ウォザースプーン。直前のワールドカップで4連勝。
工藤アナの実況「なんということだ!なんということだ!」
あまりにショックな光景だった。家族は見ていられなかったろう。
張り詰めた緊張感、爆発するパワー、それを乗りこなす技術、全てを
コントロールする精神力。
阿修羅の如き夏場の練習。これほどストイックな競技はない。
清水宏保の銀メダル。最後の100M、長野の時のようなリラックスした
滑りではなかった。腰は最悪だったらしい。
レース後のインタビュー、くやしさをあらわにした。ちょっと意外だった。
結果に全然満足してはいないのだ。自分で自分を誉めたりはしなかった。
常に理想の滑りを追い求めている求道者なのだ。
肉体と精神を極限まで追い込み、その先に常人では見ることの出来ない
別の世界、異次元に到達しているのだ。
孤高のサムライ、宮本武蔵だ。
過去のメダリストにはもうそこで満足しとっとと引退しタレントに転身した
者もいる。織田幹雄以来数々の日本人メダリストの中で清水宏保という
アスリートは一つ頭抜けた域に達していることは間違いない。
スピードスケート列伝、エリク・ハイデン、エアハルト・ケラー、
アルト・シェンク、ウーベ・イエンス・マイ、そして清水宏保が加わった。
オリンヒ゜ックおたく.Ⅰ/オリンヒ゜ックおたく.Ⅱ