2年半程前朝日新聞に旧日本軍731部隊石井四郎の終戦メモなるノートが見つかったという記事がでていた
そのノートを解読した青木富貴子著の「731」という本を読んだ
戦争での戦死者は戦闘によるものより伝染病や餓死によるもののほうがはるかに多く日清戦争ではコレラ マラリヤによる死者は戦闘による死者の10倍だったそうだ 飲み水 給水が大変重要になるわけだ 石井四郎の「731部隊」も元は「関東軍防疫給水部」だった しかし当初から細菌戦の有用性を説きその悪魔の兵器に取り付かれていった
捕虜たちは「マルタ」と呼ばれ人間実験所に送られた ペストをはじめ多くの細菌が実験に使われ重症のペスト患者には生体解剖が行われた 死んでからでは雑菌が入るため生きたまま解剖し菌株を取り出すのだそうだ 人体を通った菌は毒性が強力になるという理由で
戦後東京裁判で731部隊の犯罪は問われることはなかった しかしGHQの内部では参謀二部と民政局との間で731の秘密に関し対立しスパイ合戦が行われ マッカーサーと本国との間でも駆け引きがあり さらには米ソの間でも731の争奪戦が水面下で行われていたというのである 細菌兵器という悪魔に石井四郎 帝国大学の医師達 旧日本軍 そして戦後GHQ マッカーサー トルーマン スターリンと皆次々と取り付かれていった
731の関係者内田良一が戦後に起こした「日本ブラッドバンク」が「ミドリ十字」になりその後薬害エイズ事件を引き起こしたとはなにか因縁を引きずっている
1998年東京地裁は731部隊の細菌戦の事実を認定したが日本政府は未だ認めてはいない そして米国に渡った細菌戦のデータとその病理標本はその後行方不明なのだそうだ
もう随分昔の話だが会社に勤めていた時Aさんという老紳士がいた 昼休みにちょいと昼寝をするのだが ある日何度起こしても起きない 金縛り状態なのだ あわてて救急車を呼んだ 後で訳を聞くとA氏はかつて旧日本軍で上海に居たそうだ そこで夜な夜な人体実験が行われその命礼に服していたという 以来どれだけ歳月を経ても突然金縛りに襲われたそうである そのA氏も随分前に亡くなったと聞いたが まだまだ旧日本軍の因縁は社会の中に潜んでいる